放射線科 三重ハートセンター

医療法人 三重ハートセンター循環器疾患治療専門病院(循環器内科/心臓血管外科/内科/放射線科)医療法人 三重ハートセンター

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放射線科

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放射線科

循環器・心臓病の治療において、画像診断は必要不可欠です。そこで我々診療放射線技師は、診療に携わる医師、スタッフのニーズに応じた画像を提供できるように心がけています。また、画像を提供するだけではなく撮影装置等が正常に作動するように、整備や管理を行っています。
撮影装置の著しい進歩や多機能化が進むなか、当院でも様々な機器の更新、新規導入を行っています。当科に関連したものに関しては、今回アンギオ装置(バイプレーン心血管撮影装置)・CT装置の機器更新が行われました。それに伴い、我々も学会や研修会など知識向上や新たな技術習得と共に、機器の性能を最大限に生かせるよう日々努力を行っています。

取得している主な認定

血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師
X線CT認定技師
磁気共鳴(MR)専門技術者
第1種放射線取扱主任者資格

主な業務

一般撮影業務

放射線科の業務の中で、最も一般的な業務であり、X線を用い体内を透過したX線を画像にします。当院では主に、胸部・腹部・頚椎等の撮影を行っています。また、移動ができない入院患者様や、救急患者様は回診用X線装置(ポータブルX線撮影装置)で撮影を行います。

使用装置)
医用X線高電圧装置:KXO-50R(TOSHIBA)
回診用X線装置:MobileArt Evolution(SHIMADZU)
CR装置:FCR XL-2/Console Advance Mini(FUJIFILM)

CT撮影業務

CTとは、Computed Tomography(コンピューター断層撮影装置)を略した名前です。この検査は、X線を用い体の輪切りの写真を撮影します。体内を透過したX線を検出し、コンピューター処理を行うことにより、輪切りの画像を得ることが可能になります。今回、当院では機器更新が行われ、Canon社製のAquilion ONE NATURE Editionが新規導入されました。それに伴い、画像解析ワークステーションも導入されました。

使用装置)Aquilion ONE NATURE Edition(Canon)
Vitrea / AZE Virtual Place (Canon)

  • Aquilion ONE NATURE Edition(Canon)
    画像提供 キャノンメディカルシステムズ株式会社
Aquilion ONE NATURE Edition機器特性
  • 検査時間短縮と患者様の負担軽減。
    320列CT装置では、1回転で最大16cmの撮影が可能であり、X線管球は最速0.275秒の回転速度を有しており、検査時間の短縮が可能となりました。
  • 分解能向上による病変の早期診断。
    最も薄い0.5㎜スライス・Deep Learning再構成・フル逐次近似再構成により分解能向上が可能となりました。
  • 検査、及びフォローアップによる複数回CT検査による被ばくを、高画質を維持しつつ一般撮影と同等の被ばく線量で実現。
    320 列CT装置では、AI技術の1つであるDeep Learningを用いて開発された画像再構成技術が搭載されています。高品質なデータを教師画像とし、ノイズ成分とシグナル成分の識別方法をDeep Learningによって学習し、構築された強固なニューラルネットワークを基に画像再構成が行われます。低線量下で大幅なノイズ低減が可能となり、一般撮影と同等レベルの超低線量で情報を取得することが可能となりました。
  • 虚血性心疾患において、最も短時間かつ被ばくを低減し、心臓撮影が可能な点。
    320列CT装置は心臓全体を一回転で検査できる装置なので、一心拍のみで撮影が終了し、最も被ばくの少ない検査が行えます。また、不整脈への対応にも優れ、さらには息止めが出来ない患者に対しても撮影可能となりました。

Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE):Deep learningを用いて設計した新しい画像再構成技術です。ノイズ成分と信号成分を識別する処理を用い、空間分解能を維持したままノイズを選択的に除去することが可能です。AiCEを用いることで、CT スキャナがもっている時間分解能を最大限に引き出しながら、高いノイズ低減効果を得ることができます。低コントラスト領域においても、粒状性を維持しながら高いノイズ低減効果が得られ、低線量領域でも安定した画質向上を実現しています。

Precise IQ Engine(PIQE):PIQEはディープラーニングを応用した超解像画像再構成技術で、高精細な1心拍撮影での心臓検査を実現します。ニューラルネットワークのトレーニングには、教師データに高精細CT 「Aquilion Precision」の高精細なデータを使用されます。併せてMBIR(Model Based Iterative Reconstruction)やDLR(Deep Learning Reconstruction)を教師データに適用することで、CT装置が持つ分解能を復元し、引き出すDCNN(ディープコンボリューショナルニューラルネットワーク)を構築しました。空間分解能の向上のみならず、優れたノイズ低減効果や粒状性の維持効果が得られ、ADCTでの更なる低侵襲かつ高精細な画像を描出します。

MRI撮像業務

MRIとはmagnetic resonance imaging(核磁気共鳴画像)を略したものです。この検査は、強い磁石と電波を使用することにより画像を得ることができます。MRI検査は、CT検査とは異なりX線を使用していないので被ばくがありません。また一部では、造影剤を用いて行う検査もありますが、血管の検査においては、MRI検査では造影剤を使用しなくても描出が可能です。MRI検査での心臓撮像は、エコー検査や核医学検査、冠動脈造影検査で行う検査が一度に行うことが可能になります。

使用装置)Ingenia 1.5T CX(PHILIPS)

  • Ingenia 1.5T CX(PHILIPS)

心臓MRI検査について…
心臓MRI検査では、1.心筋壁運動評価(非造影)、2.心筋梗塞部位の評価(造影)、3.心筋虚血の評価(造影)、4.冠動脈形態の評価(非造影)が行えます。

  1. 心筋壁運動評価
    この検査は、心臓を動画で撮影する(CINE MRI)ことにより、心筋の壁運動を評価することができます。心駆出率、拍出率、拍出量等の評価も可能です。
  2. 心筋梗塞部位の評価
    この検査は、造影剤を用いて行い、造影剤を静脈から注入し、しばらく経ってから撮像を行います(遅延造影検査)。梗塞心筋部位は白く造影されます。
  3. 心筋虚血の評価
    この検査も、造影剤を用いて行います。また、この検査は薬剤(ATP負荷)で負荷をかけることにより、虚血心筋の評価を行います。
    静脈から注入した造影剤が心筋内を通過する過程を撮像した画像になります(perfusion MRI)。虚血を起こしている心筋は造影されず、心筋が黒く描出されます。
  4. 冠動脈の形態評価
    この検査は、造影剤を使用しません。心臓の動きに合わせて撮像を行うことにより、冠動脈を描出することが可能であり、狭窄部位を見つけることができます。

血管造影検査

血管造影検査(治療)は、カテーテルと呼ばれる細い管を血管に挿入し、造影剤をカテーテル先端より注入することで目的とする血管の診断や治療を行います。当院では、主に心臓を栄養している血管である、冠動脈の造影・治療を行っており、頚動脈・下肢動脈等の検査、治療も行っています。また、血管造影室では、冠動脈造影・治療のみではなく不整脈の検査・治療や心臓ペースメーカーや植込型徐細動器(ICD)・両心室ペーシング機能付埋込型徐細動器(CRTD)などの埋め込み手術も行っています。

使用装置)Azurion 7 M12(PHILIPS)
Alphenix INFX-8000V(Canon)

  • Azurion 7 M12
  • Alphenix INFX-8000V
  • 画像提供 キャノンメディカルシステムズ株式会社

当院ではCanon社製 Alphenix INFX-8000Vが新規導入されました。
Alphenix INFX-8000Vは、マルチアクセス型床置き式正面アームと、天井走行式側面アームに8×8インチサイズFPDを搭載したバイプレーンシステムです。柔軟なマルチアクセス機構により、さまざまなポジションからCアームをセットしても、解剖学的角度に沿ったRAO/LAO、CRA/CAU回転が可能です。
 ダイナミックレンジが16倍拡大したことで、直接線の影響を抑えることができ、ハレーションが起きやすい角度でも、補償フィルタなしでハレーションを抑制できます。低コントラスト分解能の向上により、ステントやワイヤーの視認性も向上しました。
Stent Mode(ステント強調機能)が搭載されており、Stentなどのデバイスを、高速演算画像処理によりリアルタイムに強調させ、視認性を向上させます。バルーンマーカーの有無にかかわらずデバイスを強調可能で、更には、Stentを固定・加算する必要がないため、通常と同様のワークフローで手技をアシストします。
Dose Tracking Systemが搭載されており、患者皮膚線量の計算値をリアルタイムに換算し、患者モデル上にカラーマッピングする機能です。検査中、患者皮膚表面の被ばく状況をリアルタイムに把握することができます。
キャノンメディカルシステムズ株式会社 ホームページより抜粋