当院では、僧帽弁閉鎖不全症に対して手術を受けられる患者様には、可能な限り僧帽弁形成術を行っております。
従来、僧帽弁閉鎖不全症に対しては病気の僧帽弁を切り取り、新しい人工弁に取り換える僧帽弁置換術が行われて来ました。しかし生体弁では耐久性の問題から再手術が必要になる可能性があり、機械弁では心臓の中に血栓(血の固まり)が出来やすく、予防のため血液をサラサラにする抗凝固剤(ワーファリン)を生涯内服しなければならない事が僧帽弁置換術の問題点と言われて来ました。
そのため特に若年の僧帽弁閉鎖不全症の患者様に対しては、手術の後にワーファリンを一生涯内服する必要がない僧帽弁形成術が非常に有効な治療であると言えます。
僧帽弁形成術では人工心肺装置を使用し、心臓を一定の時間止め(心停止)、病気の僧帽弁を形成し、(多くの場合)僧帽弁輪に形成用リングを縫い付け、僧帽弁をリフォームします。 (手術写真参照)
近年、当院の僧帽弁形成手術では非常に良好な成績を修めております(治療実績参照)。当院で僧帽弁形成術を受けられた患者様は、手術後から約2週間で退院されます。