閉塞性下肢動脈硬化症 (ASO)

一般的に50歳以上の男性に多く、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙等により進行する動脈硬化症が原因となり、下肢の血管が閉塞(詰まる)する病気です。自覚症状としては、間欠性跛行(しばらく歩くと下肢のだるさ・痛みが起こり歩けなくなるが、しばらく休むと歩けるようになる)が知られており、所見も下肢のチアノーゼ(色が悪い)、冷感(冷たい)、蒼白(真っ白になる)、爪の変形や脱毛等、多岐に渡ります。更に病変が進行すると潰瘍や壊疽(腐る)に至る事もあります。

もし閉塞性動脈硬化症と診断された場合は、早期に(内科的及び外科的)精査・治療を始める事が重要です。

<外科的治療 (総大腿動脈−膝窩動脈バイパス術の一例)>

下肢の閉塞が及んでいない中枢(大腿側)と末梢(下腿側)の動脈を露出し、細い人工血管を使用して吻合・バイパスする事で血行再建を行います。(CT画像及び手術写真参照)

①左側閉塞性動脈硬化症
左側閉塞性動脈硬化症
②バイパスに使用される人工血管
バイパスに使用される人工血管
③末梢側の吻合
末梢側の吻合
④F−Pバイパス術後
F−Pバイパス術後
術前(左が患側)
術前(左が患側)
術前
術前
術後(左が患側)
術後(左が患側)
術後
術後

<フットケア外来>

閉塞性動脈硬化症では、内科的・外科的治療の後も更に病気を進行させない為に、長期的な予防やケアがとても重要です。当院の特殊外来では、主に糖尿病による下肢病変(血流・神経障害)を対象としたフットケア外来を開設し、専任看護師2名がケアに当たっています。

フットケア外来専任看護師
フットケア外来専任看護師
注:当院での手術写真のホームページ掲載に関しては、患者様の権利・プライバシーに細心の注意を払っております。写真の無断転載を禁止します。